大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和36年(オ)503号 判決 1962年5月10日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人弁護士浅野昇の上告理由一について。

油糧砂糖配給公団の原判示の性格に鑑み同公団から上告人に売渡した判示油糧の売却代金債権は民法一七三条一号にいわゆる卸売商人又は小売商人が売却したる生産物又は物品の代価の債権とは認められず、従つて同法条所定の短期時効に罹るべき筋合のものでないとした趣旨の原判決の判断は、当裁判所もこれを正当として是認する(当裁判所昭和三二年(オ)第三七一号昭和三五年七月一五日第二小法廷判決、集一四巻一七七一頁参照)。右に反する所論は独自の見解であつて、採るを得ない。

同二について。

原判決が正当に判示したように上告人は商人たる株式会社であるから、本件債務は商行為債務であり、これに附すべき遅延利息の法定利率は年六分であることは商法五一四条により明らかである。従つて、これと同趣旨に出た原判決の判断は正当である。右に反する所論も亦独自の見解であつて、採るに足りない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 斉藤悠輔 裁判官 入江俊郎 裁判官 高木常七)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例